2026/04/06
以下の文章は、以前、私(院長二見)が動物の認知症について、犬猫用の認知症サプリメント「ガードワン」の製造販売を行っている<株式会社グロービア>の担当の方と対談した内容の一部抜粋です。
犬猫の認知症について、その現実を多くの方に知っていただきたく、掲載いたしました。
<グロービア>
高齢犬猫を飼っている飼い主様へのメッセージをお願いします。
<二見>
まず第一に、「犬や猫も認知症になります」ということお伝えしたいです。そもそも、犬や猫も認知症になることを知らない方がとても多いです。
ですが、それは当然のことだと思います。認知症になった犬は散歩にも行けず、家の中や庭だけで過ごすようになることが多くなり、重度の認知症になった犬が散歩している姿を見ることなんてほとんどありませんし、猫はそもそも室内飼いが多いため、認知症の猫を見ることはほとんどないからです。結果的に、犬猫の認知症を知る機会がなく、知っているのはそれを経験したことのあるその飼い主さん家族だけということになります。ですので、「犬や猫も認知症になります」、という正しい知識を知っていただきたいのです。
なぜそれを多くの方に知っていただきたいのかというと、犬や猫を飼っている人にとって認知症は決して他人事ではなく、そうなってしまった時の大変さは想像を絶するからです。認知症の症状がひどくなってからの改善はとても難しいため、なるべくひどくならないようにすること、ひどくなるまでの期間を延ばすことがとても大切です。犬や猫も認知症になるということを前もって知ってもらったうえで、万が一飼っている犬や猫に認知症のような症状が見られた場合は、少しでも進行を遅らせるために、なるべく早くかかりつけ動物病院の先生に相談して下さい。これが二番目にお伝えしたいことです。
そして最後にお伝えしたいことは、「1人または家族だけで、極限まで介護を頑張りすぎないでください」ということです。認知症の進行を完全に抑えることは難しいため、夜鳴きがひどくなり、飼い主さん家族も眠れず、やっと寝てくれたと思ったらまた動き出して排便してうんちまみれ。犬・猫を洗い、部屋をきれいにしていたら朝になっていた。そしてそのまま寝不足で仕事に行く。これが1日だけ、1週間だけ、という終わりの見える期間であれば頑張れますが、終わりがなく今後ずっと続くとなってくると、必ず体力的にも精神的にも余裕がなくなってきます。そうなると、あんなにも大切に飼っていた犬・猫に対して、憎しみの感情が芽生えてきてしまいます。大好きだという感情と憎しみの感情の板挟みになってしまい、とても悲しい結果を招いてしまうことがあります。
だから、そうならないための対策や、もしそうなってしまったときの対策と心構えを前もって考えていて欲しいのです。人は無限には頑張れないのです。もし万が一自分の飼い犬・猫が認知症になってしまい、その介護に疲れ果ててしまったら、絶対に休む時間を作って欲しい、「頑張りすぎないで」と言いたいです。当院ではそのような状況に陥ってしまった飼い主さんに、その動物の入院をすすめて、「とにかく休んで、リフレッシュして、またお世話をするための力を蓄える時間を作って欲しい」ということを数回提案したことがあります。近くに住んでいる親族がいるようであれば、できれば自分の飼い犬・猫が高齢になってくる前に、もし飼い犬・猫が認知症になってしまい、介護に疲れを感じ始めたら、リフレッシュタイムを設けるため預かってくれないか、というような相談をしておくことは大切だと思います。あるいは、そのような状態でも預かってくれるペットホテルを探しておくのもいいでしょう。何度も言いますが、飼い主自身が極限の状態にならないようにすることは、とても大切なことです。できれば最期の時まで、これまで通りの家族のままでいて欲しいと願っています。
最期を迎えた時に、その犬・猫には「よく頑張ったね」そして自分自身にも「よく頑張ったね」って言えるような、そんな最期であってほしいと思うのです。